待ったなし!働き方改革の本質と課題・成功事例

待ったなし!働き方改革の本質と課題・成功事例

待ったなし!働き方改革の本質と課題・成功事例

こんばんは!人事組織コンサルタントのレイルです!
人事の皆さんは次の様な悩みを抱えているかと思います。

「働き方改革って結局なんのこと?」
「なんで最近働き方改革って言っているの?」
「実際に働き方改革に取り組んでいる企業なんて存在するの?」

どうでしょうか?「うんうん」と頷いていらっしゃるのではないでしょうか。

そんな「働き方改革」は安倍政権のもと推進されてきました。
2017年3月28日の「働き方改革実現会議」で、2027年までを目標にした
「働き方改革実行計画」が策定されスタートしたのがきっかけです。

「働き方改革」とは、一言でいえば「一億総活躍社会」の実現に向けた取り組みとなります。
一部では、「長時間労働」や「同一労働同一賃金」などが特に取りざたされていますが、
本質はどういったものなのかおさらいしたいと思います。

 

働き方改革に政府が乗り出した背景

 

日本では少子高齢化が叫ばれて久しくなりました。
労働力を担う生産年齢人口(15~64歳)は、第二次ベビーブーム生まれの団塊ジュニアが労働力となった
1995年には8,000万人超となってピークを迎え、それ以降は減少の一途をたどっています。

出生率の低下が進むなか、生産年齢人口は総人口が減るペースを上回る勢いで減少し続け、
このままだと2060年には4,418万人となってしまう見込みです。
このことは、国としての生産力・国力の低下を招くとして非常に危ぶまれています。

参照 日本の将来推計人口

http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/newest04/con2h.html

 

働き方改革の施策内容

 

働き方改革実行計画では、具体的に次のようなテーマを掲げて課題の整理やロードマップの検討がされてきました。

 

  1. 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善
  2. 賃金引上げと労働生産性の向上
  3. 時間外労働の上限規制のあり方など長時間労働の是正
  4. 雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定させない教育の問題
  5. テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方
  6. 働き方に中立な社会保障制度・税制など、女性・若者が活躍しやすい環境整備
  7. 高齢者の就業促進
  8. 病気の治療、そして子育て・介護と仕事の両立
  9. 外国人材の受け入れの問題

意外な内容でしたか?
働き方改革は副業や兼業の自由化、リモートワークの推奨、残業の抑制などと言った
取組が先行しているので、イメージとは異なったのではないでしょうか?

これらを目的ごとに分けて大まかに分類すると、以下のような施策へとつながります。

 

<働き方改革の施策>

  1. 働き手を増やす → 労働市場に参加していない女性や高齢者の活躍
  2. 出生率を上げ将来の労働人口を増やす → 育児と仕事の両立や柔軟性の高い働き方の選択
  3. 労働生産性の向上 → 労働の効率化とより付加価値のある産業への労働力シフト

参照 官邸 働き方改革実行計画(概要)

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/pdf/20170328/05.pdf

 

働き方改革推進の課題

 

こうして推進されている働き方改革ですが、目標達成のためには、大きく3つの課題があると言われています。

 

課題1:長時間労働

 

近年、長時間労働やそれによる過労死、パワハラなどによる自殺などが問題視されています。
2013年には、国連から日本政府に対して、これらの問題についての防止策強化の是正勧告もされています。

これに対し、働き方改革では労使協定書「36協定」の見直しによる労働時間上限の見直しや、
残業時間特例の制限などを盛り込み、大企業に対してはすでに月間50時間以上の時間外労働賃金を50%割増とする規定が適用されています。
これによって、時間外労働を減らす目論見です。

ただし、職能や職種によっては裁量労働の必然性があることから、
これまでは「企画業務型」と「専門業務型」に限ってみなし労働時間による定額賃金を認めてきましたが、
今国会では新たに「企画業務型」も対象とする検討がされていました。
その後、「財務省書き換え問題」の影響により、今年度は見送りとなっています。

課題2:非正規と正社員の格差是正

 

日本の非正規社員の賃金は、正社員の時給換算賃金の約6割にとどまり、
欧米の8割と比較して待遇格差が激しいとされています。労働者全体の約4割をも締めている非正規社員の内訳は、
育児や介護などを担っている女性や高齢者、病気や障害を抱えた人たちの割合が多く、
この層の労働力参加の機会を増やし生産性をあげようというものです。

そのため、非正規社員の給与待遇の改善(時給1,000円以上)や再雇用制度の導入や保育所整備などの取り組みが進んでいるのです。

働き方改革の目玉・同一労働同一賃金とは?

 

労働した成果が同じ付加価値ならば同一賃金を支払うべき、という考え方です。
かつての、終身雇用や年功序列の枠組みによって成り立っていた生活給型賃金から、
職能給型賃金へと大きく変革しようとしています。

実はこれ、アベノミクスで推進しているデフレ対策の一環でもあります。
目標物価上昇率2%の達成にためには、賃金上昇が不可欠。
そのため労働人口の約4割を締める非正規社員の賃上効果は高く、デフレ脱却が期待されているのです。

つまり、現在の同一労働同一賃金の議論は、
非正規社員の正社員へのシフトと賃上げをいかに行おうかということなのです。

その昔、同一労働同一賃金が実質的な中高年の賃下をもたらすとしてこれに反対していた組合側も、
現在では支持しています。
というのも、非正規社員が正社員となる機会を得て待遇改善するだけでなく、
組合員が増えるというメリットがあるためです。
しかしながら、賃金底上げのための財源の捻出には正規社員の給与削減などの協力が不可欠となるため、
痛しかゆしと言ったところです。

 

課題3:労働人口不足

 

今現在期待できる労働の担い手として、女性の社会進出、高齢者の就労促進、外国人労働者の受け入れなどを推進しています。

特に、高齢者の労働力はそれまでに培った経験やノウハウを持った即戦力となり得るものの、
就労率は2割にとどまっています。
ところが、実は高齢者の約6割が65歳以降も働きたいと考えているのです。
そのため、継続雇用の延長や、定年延長の支援、高齢者の就労マッチングの支援などを推進しています。

また、育児や介護をきっかけに職場を離れた女性の再雇用や、
テレワーキングなどの柔軟性のある働き方によって、
働き続けられる選択肢を企業側が提供する努力も必要とされています。

参照 2016年版 厚生労働白書

http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/16-1/dl/gaiyou.pdf

 

企業における働き方改革取り組み事例

ここでは少しだけ、企業がどのようにこの働き方改革に取り組んでいるのか、ご紹介します。

事例1:株式会社ふくやの女性の活躍への取り組み

  • 育児休暇明けの雇用形態を自由選択とすることにより、復帰率が上昇した。
  • 学校行事への参加促進として勤務調整やPTA役員引き受け手当など実施し、育児のために仕事をあきらめなくてもよい環境を構築した。

事例2:ジョブサポートパワー株式会社の在宅勤務定着への取り組み

  • テレワークルール設定によって、仕事の成果を把握し評価する耐性を構築したことにより、平均残業時間が2割減少。
  • 業務プロセスの改善により、ルーチンワークの自動化を行い効率化を図り、社員の家族と過ごす時間や自己啓発時間が増加した。

事例3:エヌビーエスの業務効率化への取り組み

  • ジョブローテーションの導入により、社員が全体業務を理解し、仕事の効率化が促進した
  • 育児や定年を理由とした退職者の再雇用制度を導入し、高い能力を持つ社員を手放さず生産性向上がきたされている

まとめ

 

政権の肝入りで推進されている働き方改革。
がむしゃらに働けば経済が発展する時代は過ぎ、現代ではいかに効率よく生産性を高めていくかが課題となっています。

そうした中、労働人口の減少や生産性の低下という問題を抱えている日本は、
いまや待ったなしでこれらの課題を改善しなければならない曲面に立たされています。

企業も将来の生き残りをかけて、改革に取り組む必要性が高まっています。
大企業のみならず、日本の生産性のほとんどを担う、中小企業もそれに続く時が来ているのです。

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